【GB 2001年2月号】 「このバンドは粘土で一から見たことのないものを作っているような感じ」 シンプルでいて心にしみてくる。一発録音がさらにその温度を伝えているようだ。サウンドクリエイターの西山に話を聞いた。 バンド名は"初恋の嵐"。そして、ミニ・アルバムのタイトルは『バラード・コレクション』。最初に彼らの噂を聞いたとき、なんというか、ネーミング・センスがすばらしいバンドだと思ったし、これは絶対に聴かなくてはとさえ思った。そして、直感は見事にズバリと当たった。西山達郎(Vo,G)、谷下謙 (B)、鈴木正敏(Dr)の3人、しかも、ボーカルを含めてシンプルな一発録りながら、あまりに豊かな歌心が溢れ出す6曲は衝撃の一言だ。 「僕、神戸出身なんですけど、高校生のころから大学に行くという名目で都内のライブハウスに出たいなと思ってたんです。で、大学でメンバーと出会って活動するかたわら、学外でメンバー募集を出していろんな人と試していたんです」(西山) 絵に描いたようなバンド少年といえる西山はその後、メロディオンズやコモンビルといったインディーズで活躍する人気バンドと出会いながら、自身のバンドを地道に続けていくのだが、ぬくぬくと生温い学内に留まらず、学外でも積極的に腕を磨くため切磋琢磨。その経験は3ピースながら、全盛期のニール・ヤング&クレイジーホースを思わせる堂々たる佇まいへと昇華されていく。 「このバンドは粘土で一から見たことのないものを作ってるような感じなんです。ギター、ベース、ドラムっていうありきたりな編成で、何が見たことないものだ!とも思うんですけど(笑)、そういう表層的なことではないんです」(西山) ギターのエフェクターの使い方やリフの刻み方ひとつで、こうもビビッドなサウンドが生まれることは本当に驚きだし、あえて一発録りでそれを聴かせる自信と挑戦的な姿勢の彼らには、早くも大物の片鱗がうかがえるようだ。なお、西山はカントリー・ロック・バンド、コモンビルのベーシストとしても活躍中で、その音源はコンピレーション『SO FAR SONGS』にも収録されているので、そちらもぜひ聴いてみてほしい。 (文・小野田 雄) *原文ママ掲載 ●direct vol.15 (2001.1) ●TIME MARKET no.39 (2001.1.28) ●GB (2001.2) ●Player (2001.6) ●GB (2001.8) ●Quip vol.26 (2001.9.30) ●B-PASS (2001.10) ●UNDOWN (2001.10.25) ●Kheer vol.11 2001.10.25) [初恋の嵐 TOPページに戻る] Copyright (C) MOVING ON,INC. All Rights Reserved.
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