「僕は今(band ver.)」について 「誰かに向けて歌うというのが、感覚としても強くなる気がします」 ギター弾き語りのスタイルにこだわり続けてきた沖ちづるが、初めてバンドレコーディング形式の音源を配信リリースする。楽曲は、発売されたばかりのミニアルバムから表題曲の「僕は今」。「僕の今」を「僕らの今」に。本トラックから感じる力強さは、そのまま楽曲テーマを投影しているようでもある。彼女にとっては満を持してリリースとなる、バンドレコーディング形式の「僕は今(band ver.)」について聞いた。 ―これまではギター弾き語りにこだわって音源制作をしてきましたが、初のバンドレコーディングバージョンですね。 「ミニアルバム作品としての『僕は今』は全編弾き語りにこだわることがテーマだったんですけど、バンドバージョンは、より届けたいという思いでしたね。自分でもこんなにも変わるんだ、と思いました。弾き語りだから、バンドだからというよりは、自分の曲にちゃんと芯があって、そこがあればどういうアプローチでもいいんだというのが、すごく感じられたのが大きかったですね」 ―同じ歌詞、同じメロディとは思えないぐらい、開いたイメージの楽曲になりました。 「いろんな人に聴いてもらえるアレンジになるのではないか、というのは自分でもありました。実は、2015年12月の赤坂ブリッツワンマンライブをフルでライブレコーディングしているんですけど、アンコールで2曲披露したバンド編成での演奏部分は、自分のパフォーマンスに納得がいかなくて。もっとできたなと、ずっと思っていました。それもあって昨年は弾き語りを突き詰めよう、と思ったんですよね」 ―メンバーはHINTOの伊東真一(ギター)、安部光広(ベース)、菱谷昌弘(ドラムス)。どういった経緯でこのメンバーになったのでしょうか。 「もともとギターの伊東さんとは、堕落モーションFOLK2との対バンとか初恋の嵐、赤坂ブリッツワンマンでもご一緒したこともありましたし、それもあって音源は聴いていて好きだったり、昨年12月のSPARTA LOCALS(ドラムス以外は同じメンバー)再結成ライブと、同じイベントに出演させていただいたんですよ。今年1月にもHINTOさんとPERIDOTSさんのイベントに呼んでいただいて。なので、そこでお願いして一気に進めた感じですね。」 ―原曲をリスペクトしすぎず、と言って無視するわけでもなく、絶妙なアレンジに仕上がりましたよね。HINTOのメンバーとはどんなやりとりをしましたか? 「イメージは私が作っていったのですが、スタジオでは、弾き語りバージョンは無視してくださいとお伝えして。同じ曲でも、全然違うアプローチにしたいと思っていました。細かくイメージを伝えるというよりは、スタジオに入って、これじゃない、こっちがいい、みたいな感じで進めていきました。バンドで合わせていると本当に楽しくて。それこそ、笑いそうなぐらい。今までひとりで向き合うように歌ってきたんですけど、自分と向き合って絞り出して叫ぶように歌うというよりは、誰かに向けて歌うというのが感覚としても強くなる気がします。HINTOの皆さんには、バンドでも弾き語りでもいい曲にしたい、という想いに応えていただいたし、これで聴いてくれる人が増えるといいなと思います」 インタビュー&テキスト = 阿部慎一郎 写真 = 酒井麻衣 [SPECIALページに戻る] [むこうみずレコード TOPページに戻る] Copyright (C) MOVING ON,INC. All Rights Reserved.
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